こんにちは、Soulfunktion Guitar School ギター講師の大西隆裕です。
「ギターの練習をしたいけれど、まとまった時間が取れない」
「今日は少ししか弾けないから、時間のある日に練習しよう」
仕事や学校、家の用事があると、そんな日もありますよね。
上達のためには、毎日長時間の練習が必要だと思っている方もいるかもしれません。でも、私がまず提案したいのは、1日10分でも、自分の課題に丁寧に取り組む時間を作ることです。
しかも、この10分は分けて取っても構いません。今回は、短い練習時間を日々の生活に取り入れ、無理なく続けていくための工夫をお話しします。
1日10分は、自分に必要な練習を続けるための目安
ここでいう10分は、ただギターを持って過ごす時間ではなく、「今日はこの部分を良くしよう」と決めて取り組む時間です。
好きな曲を自由に弾く時間も大切にしながら、その中に、少し集中や工夫が必要な練習を入れてみてください。
たとえば、いつも曖昧に弾いてしまうリズムを確認する。苦手なコードチェンジで、どの音が鳴っていないか聴いてみる。そうした、普段なら通り過ぎてしまう部分に立ち止まって向き合います。
「たった10分では何もできない」と考える前に、その10分で確かめることを一つ決めてみましょう。
もちろん、どんな目標でも1日10分だけで十分というわけではありません。必要な時間は課題や目標によって変わりますし、時間をかければ必ずその分だけ上達するとも限りません。
10分という数字は、上達を保証するものではなく、必要な練習を日常に取り入れるための目安として考えてください。
10分の中で何をするか迷う方は、「ギターが上達しないと感じたら|練習の目的と進め方」も参考にしてください。課題の決め方と、短い時間の使い方を具体例で紹介しています。
10分を続けて取れないなら、分けてもいい
「10分ぐらいなら簡単」と思うかもしれませんが、忙しい日には、その10分をまとめて確保することも難しいものです。
そんなときは、5分と5分に分けるなど、生活に合わせた取り方を試してみてください。
たとえば、夕食前に苦手なコードチェンジを5分確認し、片づけが終わってから、同じ部分をもう5分弾いてみる。これは一例ですが、まとまった時間を待つ以外にも取り組み方はあります。
分けて練習するときは、毎回別のことを始める必要はありません。「さっき気をつけたことを、もう一度確かめよう」と、同じ課題の続きを行ってもよいのです。
ただし、曲を最初から最後まで通す練習など、ある程度まとまった時間が必要な内容もあります。短い時間には部分的な確認を、時間が取れる日には曲全体の練習を、というように使い分けてみましょう。
始めるまでの手間を、小さくしておこう
練習時間を短くするだけでなく、「よし、弾こう」と思ってから始めるまでの準備にも目を向けてみてください。
毎回譜面を探したり、何を練習するか考えたりしているなら、その部分を先に整えておくのも一つの方法です。
- 始めるきっかけを決める:夕食の片づけが終わったあとなど、自分の生活の中で取り組めそうな場面を選びます。
- 使うものをまとめる:ピックやチューナー、練習する譜面などを、探さずに用意できるようにしておきます。
- 次にやることを残す:練習を終えるときに、「次もこの2小節から」と一言メモしておきます。
必ず同じ時刻に練習しなければいけないわけではありません。平日と休日で時間が違っても構いません。
「空いた時間があれば」と待つだけでなく、どのタイミングなら、準備も含めて取り組めそうかを考えてみましょう。
練習できない日があっても、次に戻ってこよう
日々の練習を大切にしてほしい一方で、どうしても時間を取れない日まで、自分を責めてほしくはありません。
毎日続けようと決めていたのに、一日空いてしまう。そのときに「もう続かなかったから」と、そこでやめてしまう必要はないのです。
次に時間が取れたら、前回の課題から再開してみてください。できなかった分を無理にまとめて取り返すより、まずは普段の練習へ戻ることを考えましょう。
もし何日も続けて予定どおりにできないなら、気合いの問題と決めつけず、練習する時間帯や一回の量を見直してみてください。夜に時間が取れないなら別の時間帯へ、10分が難しければまずは数分から、という調整もできます。
目指したいのは、休んだ日が一日もない記録ではなく、必要な練習に繰り返し戻ってこられることだと私は思います。
焦らずに、できるようになった部分も確かめよう
丁寧に練習していても、毎回はっきりとした変化を感じられるとは限りません。
「まだ曲を最後まで弾けない」だけで判断せず、取り組んでいる部分を少し細かく見てみましょう。
たとえば、同じテンポで以前より音が途切れずにつながる。コードを押さえたときに、前は鳴らなかった弦が鳴る。そうした変化も、今まで取り組んできたことを振り返る手がかりになります。
ときどき短く録音して、同じ箇所を以前の演奏と聴き比べてみるのもよいと思います。毎日の出来不出来だけで結論を出さず、少し期間を置いて確かめてみてください。
ただし、焦らず続けることと、うまくいかない方法を見直さず続けることは別です。
同じところで困り続けているなら、今の自分に合う課題なのか、取り組み方を変えた方がよいのかを確認してみましょう。課題を選ぶ視点については、ギター上達のための「戦略的な練習」の記事で詳しくお話ししています。
練習の目的は、もっとギターを楽しむこと
練習時間を増やすことや、毎日欠かさず続けること自体が、最終的な目的ではありません。
好きな曲を弾きたい。歌いながらギターを鳴らしたい。憧れのフレーズを、自分の手で弾いてみたい。練習は、その楽しみに近づくためにあるはずです。
短い練習を終えたあと、時間があれば好きな曲を自由に弾いてもよいですし、その日の予定に合わせて切り上げても構いません。ギターを楽しむ時間まで、すべて課題に取り組む時間に変えなくてよいのです。
好きな気持ちと、上達のための練習をどう両立するかについては、「ギター上達に大切な3つのこと|好きな気持ちと1日10分の練習」でもお話ししています。
まとまった時間が取れる日を待つより、まずは今日の生活に、丁寧に取り組む短い時間を一つ作ってみませんか。
「このあと5分だけ、あの部分を確認してみよう」。そんな一歩から、自分に合うギターとの付き合い方を作っていきましょう。
「自宅で何を練習すればよいか分からない」「今の生活の中で、どんなふうに練習を続ければよいか相談したい」という方は、体験レッスンでも遠慮なくお話しください。弾けるようになりたい曲や練習に使える時間を伺いながら、取り組む内容を一緒に考えていきましょう。
