こんにちは、Soulfunktion Guitar School ギター講師の大西隆裕です。
「ギターを練習しているのに、いつも同じところでつまずいてしまう」
「練習する時間は取っているけれど、なかなか上達を実感できない」
そんなときは、練習時間を増やす前に、「何をできるようにするために弾いているのか」を一度整理してみてください。
今回は、ギターの練習の目的と、苦手な部分への取り組み方についてお話しします。忙しい日にも取り入れやすい、10分の練習例もご紹介します。
ギターを楽しむ時間と、課題に取り組む時間
好きな曲を弾いたり、得意なフレーズを気持ちよく繰り返したりする時間は楽しいですよね。もちろん、それもギターの大切な楽しみ方です。
ただ、「このコードチェンジをできるようにしたい」「このフレーズで指が止まらないようにしたい」という課題があるなら、そこに取り組む時間も作ってみましょう。
たとえば、曲の途中に苦手なコードチェンジがあるのに、そこを毎回なんとなく通り過ぎて、弾ける部分ばかりを繰り返していないでしょうか。
上達を目指す練習では、今できていない部分を見つけて、できる状態へ少しずつ近づけていくことを意識してほしいと思います。
これは「すでに弾ける曲を練習してはいけない」という意味ではありません。
同じ曲でも、音の長さをそろえる、リズムを安定させる、強弱をつけるなど、確かめる内容を変えれば、取り組める課題は沢山あります。
大切なのは、難しい曲を選ぶことそのものではなく、何を良くするために弾くのかを決めることです。
練習の目的を、具体的な言葉にしてみよう
「今日は1時間練習する」というのは時間の目標ですが、それだけでは何に取り組むのかがまだ決まっていません。
ギターを手に取ったら、まず「今日は何をできるようにしたいか」を一つ決めてみましょう。
- コードチェンジの練習なら、例えばCからGへ、拍に合わせて切り替えられるようにする。
- ストロークの練習なら、コードが変わるところでも右手のリズムを止めないようにする。
- ソロの練習なら、苦手な2小節を、音の長さまで確認しながら弾けるようにする。
「コードを練習する」よりも、「どのコードから、どのコードへ、どんな状態で切り替えたいのか」まで決めるイメージです。
最初から全部を一度に直そうとする必要はありません。まずは一つの課題に絞って、弾いた結果を確かめてみてください。
苦手な部分を短く取り出して練習しよう
曲の途中でつまずいたとき、毎回最初から弾き直していませんか。
曲全体を通す練習も必要ですが、特定の箇所を直したいときは、そこだけを取り出してみましょう。
たとえば、サビの途中にあるCからGへのコードチェンジで止まってしまうなら、次のように進めてみてください。
- つまずく動きを確認する
コードの形を思い出すのに時間がかかるのか、特定の指が遅れるのか、右手まで止まってしまうのか。まずは、どこで困っているのかを確認します。 - 動きを確かめられる速さで取り組む
必要ならコードの形や指の動きを確認してから、メトロノームなどを使い、余裕を持って切り替えられるテンポで試します。速さを優先せず、狙った音が鳴っているかも聴いてみましょう。 - 前後の流れにつなげる
取り出した部分が弾けてきたら、その前後の小節も加えます。最後に曲の中へ戻し、流れの中でも同じように弾けるか確認しましょう。
一度だけ成功したらすぐに速くするのではなく、何度か続けて落ち着いて弾けるかも確かめてください。
また、ゆっくり弾けることと、曲のテンポで弾けることは別の確認です。慣れてきたら少しずつ速さを変え、どこで動きやリズムが崩れるかを見ていきましょう。
「取り出して確認する → 前後につなげる → 曲の中で試す」という流れで、部分練習を実際の演奏につなげてみてください。
忙しい日は10分でも。続けられる練習の形を作ろう
仕事や学校、家の用事などがあると、毎日まとまった練習時間を取るのは難しいですよね。
そんなときは、「1時間取れないから今日は練習できない」と考えるよりも、「今日はこの部分を10分だけ確認しよう」と、小さく取り組んでみませんか。
もちろん、どんな目標でも1日10分で十分というわけではありません。必要な時間は、取り組む内容や目指す演奏によって変わります。
ここでお伝えしたいのは、短い時間しか取れない日にも、その時間に合う課題を選べるということです。
時間を取れる日を待つだけでなく、普段の生活の中で続けられる形を考えてみましょう。
コードチェンジに取り組む10分の練習例
たとえば、苦手なコードチェンジを一つ確認するなら、次のような配分で試してみてください。
- 最初の2分:今日の状態を確認する
練習する部分を弾き、どの動きで止まるのか、どの音が鳴っていないのかを確認します。 - 次の5分:課題を絞って取り組む
苦手な切り替えを取り出し、無理なく動きを確かめられる速さで練習します。 - 次の2分:曲の流れに戻して弾く
練習した部分の前後も加え、つながりやリズムを確かめます。 - 最後の1分:次にやることをメモする
できたことと、まだ難しいところを一言ずつ残します。
この時間配分は一例です。難しすぎる場合は課題をさらに小さくし、時間に余裕がある日は休憩を挟みながら取り組んでください。
練習できない日があっても、そこで終わりにする必要はありません。次にギターを手に取ったときに、前回の課題から再開してみましょう。
練習の最後に「できたこと」と「次の課題」を残そう
練習を終えるときには、時間だけでなく、何を確認できたかも振り返ってみてください。
たとえば、こんな短いメモで十分です。
今日の課題:CからGへのコードチェンジ。
できたこと:ゆっくりなら、拍に合わせて切り替えられた。
次の課題:前後の小節を加えると右手が止まるので、そこを確認する。
メトロノームを使った場合は、テンポも一緒に書いておきましょう。
自分で弾きながら判断しにくいときは、短く録音して聴いてみるのも一つの方法です。まずは「コードが変わるところでリズムが止まっていないか」など、今日の課題に関係する部分に絞って確認してみてください。
その日に課題を全部解決できなくても、「どこが難しいのか」「次に何を試すか」を整理して終えられれば、次の練習で取り組むことがはっきりします。
まとめ|次にギターを持ったら、課題を一つ決めてみよう
ギターがなかなか上達しないと感じたときは、練習時間だけでなく、その時間に何をしているかを見直してみてください。
課題を一つ決める。苦手な部分を取り出す。弾いた結果を確かめ、曲の中へ戻す。
まずは次の練習で、「今日はこの部分を、こんなふうに弾けるようにしたい」と決めるところから始めてみましょう。
そして、好きな曲を自由に弾いて楽しむ時間も、ぜひ大切にしてください。課題に取り組む時間と、音楽を楽しむ時間。その両方を持ちながら、ギターを続けていけるといいですね。
「自分の場合は、何から練習すればいいのか分からない」という方は、体験レッスンでも遠慮なくご相談ください。
実際の演奏を見ながら、今つまずいているところや、ご自宅で取り組む練習の進め方を一緒に整理していきましょう。
