こんにちは、Soulfunktion Guitar School ギター講師の大西隆裕です。
「ギターが上達するために、一番大切なことは何ですか?」
そう聞かれたら、今の私はまず、「ギターが好き! もっと弾けるようになりたい!」という気持ちだと答えます。
もちろん、練習方法や継続も大切です。ただ、できないことに丁寧に取り組む時間は、楽しいばかりではありません。少し面倒だったり、思うようにできなくて悔しかったりすることもあります。
そのときに支えになるのが、「これが弾けるようになったら、きっと楽しいだろうな」という気持ちだと思うのです。
今回は、日々のレッスンで感じていることを交えながら、ギターの上達に大切だと考える3つのことをお話しします。
①「ギターが好き」という気持ちを育て続ける
レッスンをしていて、普段から音楽をよく聴き、「あの曲を弾きたい」「あんな音を出してみたい」という気持ちを持っている方には、練習を続けるうえでの強さを感じます。
「練習しなければいけない」だけでなく、その先に「やってみたいこと」があるんですね。
だからこそ、練習方法を調べる時間だけでなく、好きな音楽を聴いたり、憧れの演奏を見たり、ギターで自由に遊んだりする時間も大切にしてほしいと思います。
私の中では、こうした時間を通して、「ギターが好き」という気持ちを日々じっくり醸造していくようなイメージです。
今の楽しさだけでなく、「できたときの楽しさ」を想像する
苦手なコードチェンジや、うまく動かない指に向き合っていると、気持ちよく曲を弾くときとは違う大変さがあります。
でも、「この部分がつながったら、あの曲を最後まで弾ける」「このリズムができたら、もっと気持ちよく演奏できる」と想像できれば、その練習にも取り組む理由が生まれます。
私が大切だと感じるのは、今すぐ楽にできることだけを楽しむのではなく、できるようになっていく過程にも楽しみを見つけることです。
これは少し、日々の過ごし方にも関係する話かもしれません。ギター以外のことも前向きに楽しんでいる方は、うまくいかないことにも「じゃあ、どうしてみようか」と向き合っているように感じます。
もちろん、いつも明るくいなければいけないわけではありません。気分が乗らない日があっても、「やっぱりこの曲が好きだな」と思えるものを、そばに置いておいてほしいのです。
②自分の演奏を客観的に見て、試行錯誤する
ギターが好きで、真面目に練習していても、同じところでつまずき続けてしまうことがあります。
そんなときに私が確認したいのは、自分がどこで、何につまずいているのかを把握できているかという点です。
ただ回数を重ねるだけではなく、一度立ち止まり、「どこを変えたら、もう少し弾きやすくなるだろう」と考えてみましょう。
苦手なところだけ、録音・撮影してみよう
弾くことに精一杯の状態で、自分の音や動きを同時に細かく確認するのは、なかなか難しいものです。
そこでおすすめしたいのが、スマートフォンなどで自分の演奏を録音したり、撮影したりすることです。毎日でなくても構いません。曲を丸ごと録る必要もなく、苦手に感じている数小節だけで十分です。
録音では音やリズムを聴き、動画では手の動きも確認してみてください。たとえば、同じ「途中でつまずく」という状態でも、見るポイントはいくつかあります。
- 右手:弦に引っかかったり、途中で動きが止まったりしていないか。
- 左手:次の音を押さえる指が遅れたり、動かしづらそうになっていたりしないか。
- 左右の連携:弦を押さえるタイミングと、弾くタイミングが合っているか。
最初から全部を見ようとせず、気になるところを一つ選んでみましょう。
そして、「今のテンポでは動きを確認できないから、もう少し遅くしよう」「この切り替えだけ取り出してみよう」と、練習の仕方を変えてみます。変えたあとに、もう一度音や動きを確認するところまでが試行錯誤です。
また、手の動きより前に、そもそも、どんなフレーズを弾こうとしているのかを確かめたい場合もあります。
TAB譜の数字を追うことに精一杯で、リズムやメロディーが曖昧になっていないでしょうか。そんなときは、指を動かす練習を増やす前に、原曲を聴いてフレーズを確認してみてください。
分からないときは、人の力を借りていい
録音や動画を見ても、何を直せばよいか分からないこともあると思います。
その場合は、身近にギターを弾ける人がいれば、演奏を見てもらってください。相談できる人がいなければ、私たち講師のような専門家を頼ってほしいと思います。
ネットにはいろいろな練習方法がありますが、「その方法が、今の自分に必要なのか」は、別に考える必要があります。
ご本人が必要だと思っているテクニックよりも、もっと手前のリズムや基本動作に取り組んだ方がよい、とレッスンで感じることもあります。そして、その部分が、これまで少し面倒で避けてきた課題だった、ということもあるんですね。
大切なのは、自分を責めることではなく、今取り組むとよい課題を見つけ直すことです。
「素直さ」は、言われたとおりにすることだけではない
私が指導していて、伸びていく方に感じるものの一つが「素直さ」です。
自分の考えと違うアドバイスをもらったときにも、「まず一度やってみよう」と試してみる。そして、「実際にやるには、どうすればいいだろう」と自分でも考え、分からないところは質問する。
そういう姿勢を大切にしてほしいと思っています。
理由を考えてはいけない、先生の言うことに何でも従わなければいけない、という意味ではありません。
理屈を知ることや効率を考えることは大事です。ただ、方法を調べるだけで終わらず、試す・確かめる・考える・質問するところまで進んでみてほしいのです。
③1日10分、「少し負荷のある練習」に取り組む
ここまで「好き」「楽しむ」という話をしてきましたが、私は、ギターを楽しむ時間と、上達のために課題へ取り組む時間は、分けて考えています。
好きな曲を気持ちよく弾いたり、音を出して遊んだりする時間には、そのたびに成果を求めなくてもよいと思います。
一方で、もっと弾けるようになりたいことがあるなら、今の自分には少し難しい部分にも、丁寧に向き合う時間を作ってほしいのです。
「正しい練習」は、今の自分と目標に合っているもの
今の私が考える、上達のための練習は、次のようなものです。
今の自分が無理なく続けられる範囲で、少し負荷がある。そして、その先に、自分が弾きたい演奏へ近づいていく姿をイメージできる練習。
ここでいう負荷は、身体を痛めるほど力を入れたり、ひたすら我慢したりすることではありません。
いつもなら流してしまう音を一つずつ確認する。苦手な指の切り替えを丁寧にやってみる。なんとなく合わせていたリズムを、きちんと確かめる。そうした、少し集中や工夫が必要な取り組みのことです。
楽に弾けるところを繰り返すことにも楽しさはあります。ただ、避けている課題があるなら、そこに向き合わないままでは、いずれ同じところで足踏みしてしまうかもしれません。
だからといって、難しければ難しいほどよいわけでもありません。「何のためにやるのか」が分かり、今の自分が丁寧に取り組める内容を選ぶことが大切です。
30分弾くなら、そのうち10分を練習に使ってみよう
上達を実感していきたい方に、私がまず提案したいのは、1日のうち10分でも、こうした練習の時間を作ることです。
たとえば、30分ギターを弾けるなら、そのうち10分は自分の課題に取り組み、残りは好きな曲を弾いて楽しむ。一つの目安として、そんな時間の使い方を試してみてください。
練習に使える時間が10分なら、まずはその10分を丁寧に使うところからで構いません。左手、右手、リズムなど、今必要な項目を選び、何を確かめるかを決めて取り組みます。
ただし、10分という時間そのものが上達を保証してくれるわけではありません。大事なのは、その中で何に取り組み、どう確かめるかです。
忙しくて10分を確保するのが難しい日もあると思います。そんな日は、苦手な動きを10秒、20秒だけでも丁寧に確認するところから始めてみましょう。短い取り組みでも、避けていた課題に向き合うきっかけにしてほしいと思います。
最初から長時間頑張ることよりも、自分に必要な練習を、少しずつ日々の中に入れていくことを大切にしてみてください。
課題の決め方や、苦手な部分を取り出して練習する方法は、「ギターが上達しないと感じたら|練習の目的と進め方」でも具体的に紹介しています。
まとめ|できるようになった先の楽しさを、練習につなげよう
ギターの上達に大切だと私が考えるのは、好きな気持ちを育てること、自分の演奏を見つめて試行錯誤すること、少し負荷のある練習を続けることです。
今できないことがあるのは、これから取り組めることがあるということでもあります。
「これができるようになったら、絶対に楽しいだろうな」
その気持ちを持ちながら、今日の10分を使ってみませんか。気持ちよくギターを楽しむ時間も、少し立ち止まって丁寧に取り組む時間も、どちらも大切にしていきましょう。
「自分にはどんな練習が必要なのか分からない」という方は、体験レッスンでも遠慮なくご相談ください。
好きな音楽や弾けるようになりたい曲を伺い、実際の演奏を見ながら、今の自分に合う課題と取り組み方を一緒に整理していきましょう。
