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Russell Malone「There Will Never Be Another You」のイントロ解説

こんにちは。
加古川のギター教室、Soulfunktion Guitar School ギター講師の大西隆裕です。

9月に入り、朝晩は少し涼しくなってきましたね。

今回は、ジャズセッションでのイントロについてのお話です。「イントロをお願いします」と言われて、何を弾こうか迷ったことはありませんか。私自身も、イントロの出し方には悩んできました。

そんなときは、好きな演奏をまねするところから始めてみるのもよいと思います。今回は、YouTubeで見つけたRussell Malone(ラッセル・マローン)の「There Will Never Be Another You」のイントロを取り上げます。

形を覚えるだけでなく、それぞれのコードがどこへ向かっているのか。その流れも、実際に音を出しながら確かめてみましょう。

目次

まずは譜面と音源を確認してみよう

Russell MaloneによるThere Will Never Be Another Youのイントロを題材にした五線譜・TAB譜

「There Will Never Be Another You」イントロの譜面PDF

着地点は、テーマ冒頭のE♭M7

このイントロは、曲の始めのコードであるE♭M7へ向かう流れとして見ていくと整理しやすくなります。

細かな装飾やコードを鳴らすタイミングをいったん省き、譜面のコード名に沿って並べると、次のような流れです。

Gm7 → A♭M7 → Gm7 → C7 → Fm7 → F7 → B♭7sus4 → E♭M7

最後のE♭M7は、譜面に書かれた8小節のイントロのあとに続く、テーマ側のコードです。矢印はコードが移る順番で、それぞれが1小節ずつという意味ではありません。

E♭を基準にすると、Gm7はⅢm7、A♭M7はⅣM7。そのあとⅢm7へ戻り、Ⅵ7のC7、Ⅱm7のFm7を経て、Ⅴを根音とするB♭のコードへ進んでいきます。

ここで注目したいのが、C7とF7で作る進行感、そして最後のsus4の響きです。

C7は、次のFm7へ向かうためのコード

E♭メジャーの音だけでⅥm7を作ると、Cm7になります。ところが、このイントロではC7が使われています。

Cm7とC7の違いは、3rdの音がE♭からEになること。このC7は、次のFm7に対するドミナントとして捉えられます。

つまり、「ここからFm7へ向かいますよ」という流れを作っているんですね。E♭のキーでは、Ⅱm7へ向かうセカンダリードミナント、V7/Ⅱにあたります。

まずはCm7 → Fm7と、C7 → Fm7を弾き比べてみてください。名前だけで覚えるより、3rdを変えたときの響きの違いを耳で確かめると、使いどころも考えやすくなると思います。

Fm7からF7へ変えて、B♭へつなぐ

後半の基本には、Fm7 → B♭7 → E♭M7というⅡm7–Ⅴ7–ⅠM7の流れがあります。

今回は、そのFm7とB♭の間にF7を挟んでいます。Fm7の3rdであるA♭をAに変えることで、F7というドミナントセブンスの響きになるわけです。

F7は、B♭へ向かうドミナント。E♭のキーで見ると、Ⅴへ向かうV7/Ⅴにあたり、ダブルドミナントとも呼ばれます。

ここでは「Fm7からF7へ変化させ、B♭へつなぐ準備をしている」と捉えてみてください。そして譜面では、その先を通常のB♭7ではなく、B♭7sus4にしているところが面白いんです。

最後のB♭7sus4を、A♭/B♭として見てみよう

最後のコードでは、ベースにB♭を置き、その上にA♭のメジャートライアドを重ねています。

譜面の2〜4弦を見てみると、次の音になっています。

  • 4弦6フレット:A♭ — B♭から見て♭7th
  • 3弦5フレット:C — B♭から見て9th
  • 2弦4フレット:E♭ — B♭から見て11th(sus4の4thにあたる音)

A♭・C・E♭で、A♭メジャートライアド。その下にB♭のベースがあるので、A♭/B♭として捉えられます。

譜面ではB♭7sus4と表記していますが、実際には9thのCも含まれています。より詳しく書くなら、B♭9sus4の5thを省いたボイシングです。

この押さえ方には、通常のB♭7に含まれる3rdのDがありません。その代わりにE♭が入るため、DとA♭が作るトライトーンとは違う響きになります。

私には、C7やF7で次へ向かう流れを作りつつ、最後のsus4で少し柔らかく受け止めて、テーマのE♭M7へつなげているように感じられます。

「Ⅴのベースの上に、Ⅳのメジャートライアドを重ねる」という捉え方ですね。通常のB♭7 → E♭M7と、譜面のA♭/B♭ → E♭M7を弾き比べて、着地の雰囲気がどう変わるかを聴いてみてください。

イントロだけで終わらず、テーマまでつなげて練習しよう

まずは押さえ方とリズムを確かめ、慣れてきたら、各コードのつながりにも耳を向けてみましょう。

C7からFm7へ向かうところ。Fm7からF7へ変化するところ。そして最後のB♭7sus4から、テーマのE♭M7へ入るところ。それぞれを短く取り出して弾いてみるのもよいと思います。

そのあとで、イントロ全体からテーマの出だしまでつなげてみてください。コードを並べるだけでなく、拍の流れを保ちながら、テーマへ自然に入れるかも確かめたいところです。

仕組みがつかめてきたら、別のキーへ移したり、メジャーキーのⅠのコードから始まる別の曲で試したりしてみましょう。その曲のテンポや雰囲気、テーマの入り方に合わせて調整してください。

ただ回数を重ねるより、「今のコードはどこへ向かっているのか」「最後をsus4にすると、どう聴こえるのか」を意識して繰り返す。そうやって、まねしたイントロを少しずつ自分でも使える形にしていきましょう♪

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